楽しい思い出

子供たちが大きくなるにつれ、それぞれに予定が入るようになり、休日に家族全員がそろうことが少なくなってきた。
でも、このゴールデンウィークはみんなでキャンプに行こうと強い意志をもって決め、なにがなんでも全員なにも予定をいれないようにと前々からしつこく通告しておいた。
それでもやっぱりなにかと「どうしても外せない用事」が舞い込み、結局一泊二日しか日程がとれなかったのだけど。
本当は二泊で行きたかったのに…

とはいえ、一泊でもキャンプはキャンプ。
久しぶりのキャンプ。

もしかしたらこれが最後のキャンプになるかもしれない。
だから、どうか、なにごとも起こりませんように。
最初から最後まで、みんなずっと笑顔で楽しく過ごせますように。

わたしの祈りが通じたのか、空は晴れ渡り、暑すぎず寒すぎない、最高のコンディションで当日を迎えた。


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おかげさまで、キャンプはすべてが楽しかった。
テントも、バーベキューも、食後のマシュマロも。
夜、ランタンの灯りだけを頼りに、みんなでサイト内を散策したことも。
気づけば我が家にはキャンプ用のランタンのコレクションが増えているのだけれど、かわいいランタン、レトロなランタン、明るいランタン、頭に装着できるため手ぶらで歩けるランタン(というより単なるヘッドライト)とそれぞれに特徴があり、子どもたちはあれがいい、そっちがいい、早く交替してよ、順番だよ、そっちはさっき使ったばっかじゃん!と、終始とりあいだった。
そんなバカバカしい喧嘩を諌めるのも、楽しかった。

ランタンだけではない。
気がつくと、キャンプ用品が増えていた。

思えば、はじめてキャンプに行ったのは十年近く前のこと。
以来、毎年数回行っている。
当然、グッズも少しずつ増えている。
これは2回目のキャンプの時に買ったやつだ。
それはぼくが3年生の時の夏のキャンプで、帰りのサービスエリアで買ったキャンドルだね。
それはひるがの高原でキャンプした時に買ったなんちゃらかんちゃらで〜

まぁ、子どもたちの記憶力の良いこと。

どこそこのキャンプの時は誰がこんな失敗をした、あの時はあれを食べたのがおいしかった、あのキャンプ場ではカエルとカニをつかまえた、あそこのキャンプ場の近くの温泉はお湯が熱かった、などなど。
次々と思い出話が出てきて、よくぞそんな細かいところまで覚えているなぁ、と感心することしきりだった。

すごいね。漢字や社会はちっとも覚えられないくせに、よくそんなに細かいことまでハッキリ覚えてるね。

いやみまじりに言うと、子どもたちは口をそろえて言った。
「だって、楽しいもん!楽しかったことは絶対に忘れないよ!」

うれしかった。
絶対に忘れないほど楽しい思い出を彼らがたくさん持ってくれていることが、ただただうれしかった。
うん。わたしも、絶対に忘れたくない楽しい思い出、たくさんあるよ。

家族みんなでキャンプに行ける機会は、今後は少なくなるかもしれないけど。
キャンプじゃなくてもいい、彼らが「絶対に忘れない」ほど楽しい思い出が、これからもいっぱいいっぱい増えていきますように。

…ところで、勉強も、楽しかったらちゃんと覚えてくれるのかしら…???